願いを叶えた方々
東京都 島 正夫様
70年来の大親友と、童心にかえって野球観戦に行きたい
CaNoWムービー
お喜びの声をいただきました
島 正夫さん(87歳)
最近はスポーツ観戦は専らテレビばかりでしたので、東京ドームの生野球には痺れました。現在ラグビーのW杯が圧倒的な人気だと受け止めておりましたが、超満員のドーム球場と熱狂的な応援団の迫力に耳が壊れるほどで、まだまだ野球も頑張ってるなと安心しました。スタッフのかたも高齢の私どもに合わせた話題を選びつつ年齢差を忘れるような上手な応対に感激しました。
おそらくこれが私の最後の生野球観戦だとおもいます、気がかりだった巨人軍・阿部慎之介選手の最後のヒットを見れたことは望外の賜物でした。このサービスを「冥途の土産」にあと僅かな余生を楽しみたいと思います、 感謝・感謝
大親友:宮地 和郎さん
私は島さんの同伴者として、CaNoWさんの実態も全く知らずに参加させていただきました。中学生の時から、我が家も学校も南海ホークスの選手の家に囲まれた感じで育った私は根っからのホークスファンで、セ、パ分裂以降交流戦以外はセの試合を見たことがなく、初めてがCSしかも伝統の巨人阪神戦を最高の席で見せていただき大いに感激しました。また付き添いいただいた浅井さんの心のこもったおもてなしには、お礼の申し上げようがありません。体力が弱った島さんに寄り添って傘をさしかけ、階段を下りておられる姿を見て「まるでお孫さんがおじいちゃんをいたわり寄り添っているみたい」と思わずつぶやきました。頂いたジャイアンツの優勝記念Tシャツは巨人狂の孫にあげます。大喜びでしょう。日本シリーズは多分ホークスvsジャイアンツでしょう。試合が始まればきっとお世話になったCaNoWさんや浅井さんを思い出しながらのTV観戦でしょう。
願いを叶えるまで
小さい頃から野球に親しみ、南海ホークスの大ファンで、『娯楽といえば野球』の時代を生きてきた島さん。そんな人生の集大成に大親友と、今年見事に優勝を収めた『読売ジャイアンツの試合を生で見たい』とご希望をお寄せいただきました。
同席するのは、70年来の『大親友』という宮地さん。
宮地さんと島さんは、中学校で出会い、同じ大学に入り、さらに同じ会社に勤め、長い時間を、友人として過ごしてきました。
当日はおふたりの過去のお話や、島さんがファンとして見つめてきた野球の歴史をお伺いしながら、大熱狂の巨人VS阪神戦・クライマックスシリーズを観戦してきました。
「混んでいて慣れない『国電』に乗ってきた」という島さん。ご足労頂き本当にありがとうございます。
お洋服も、ジャイアンツカラーのオレンジでばっちり決めてきてくださいました。
島さん「もうね、旅行も無理。運動もだめだし、車の運転も無理だし。あとはお迎えを待つだけかなと。今回は思い切って来ましたよ」
そんなことを言いながら笑う島さんですが、球場へ向かう足取りは軽やかです。
当日は、エムスリー社内でも随一の野球好き女子の浅井が、ガイドおよびサポート役を務めさせていただきました。
宮地さんが、「おじいちゃんと孫みたい……」と呟かれますが、初対面にも関わらずそれだけ仲良くなれたのは、島さんの明るいお人柄のおかげでしょう。
島さんと宮地さんは1945年、終戦の年に大阪府の中学校の同じクラスで出会いました。
戦後の学制改革で、新制高校に変更され、疎開していた学生と再合流しクラスの人数が増えたと思いきや、すぐに男女共学への変更で今度は人数が半分になるなど、まさに激動の戦後に学生時代を過ごされましたが、そんな中でも不思議といつも同じクラスで、一緒の時を過ごしてこられたそうです。
学生時代は、剣道や柔道のような厳しい体育会系に嫌気がさし、同好会的な野球・ソフトボールを楽しんでいたそう。
島さん、宮地さんからは、野球にふれながら様々な出来事をお伺いしました。
「自分が大学生だったころは、六大学野球がすごく人気があって。職業野球という言葉があったくらい、プロ野球を下に見てる風潮もあったんですよ」
「当時ね、江川卓っていうピッチャーがいて。法政大学にね。東京大学との試合で江川が出るからって、東京に転勤だったから観に行ったんだ。そしたら見事に神宮でね、江川が敗戦投手になって……。」
野球の変遷とともに、おふたりが辿ってきた道のりを思い返しているようです。
中学を卒業後、島さんと宮地さんを含む幼馴染の5人組でそろって大阪大学に入学します。5人一並びで受けた入学試験。奇跡的に5人全員受かり、島さんと宮地さんの縁はその後も続いていきます。
大学でもそろって草野球をしたり、やはり野球がおふたりをつないでいました。
島さん「昔はね、今のようなアメリカ式の100球で交代という時代ではなかった。見ごたえは違った。アメリカナイズされた。まあ、今の方が合理的でいいのだろうけど。」
会社員になり、おふたりは同じ会社に入社。しかし、転勤が多く、そこからお二人は疎遠になってしまいます。
定年を迎え退社したとき、二人は再び、連絡を取り合います。
そこから、島さんと宮地さんのご関係は再開しました。
島さん「引退して、時間ができて、一緒にゴルフに行ったり。でも、ゴルフもできなくなったし、『真顔』になった。会社の同期会も参加できなくなったり。病気をしたり、医者から、夜間外出は控えろといわれたり。お付き合いが、悪くなった。」
試合の間、六大学野球のこと、学生時代のこと、おふたりの思い出話が鮮やかに展開されました。
試合は阪神を相手に、巨人が圧倒的な大勝で終了。
おふたりに感想をお伺いすると、
島さん「(引退表明していた)阿部慎之助の最後のヒットが見れて良かった! 期待していた丸ちゃんがだめだったのが残念。いずれにしても、一番良い日に設定していただいたのが有難かった。」
宮地さん「私も、セ・パ分裂以来、セの試合を見るというのは、交流戦以来初めてです。テレビで見るのとは違う。いやぁ、すばらしいいい場所で見れて良かった。」
奇跡的にこの日は、阿部選手の引退と巨人の大勝が重なり、おふたりにとって思い出に残る日になったようです。
70年という長い年月を一緒に過ごした、人生の戦友ともいうべきおふたり。
ピッチを眺めて指をさす姿に、今も変わらない友情をみるようです。
これからも、野球を楽しまれてどうぞ仲良くお過ごしください!