願いを叶えた方々

Yくん

僕の絵を描く活動と病気のことを知ってもらいたい

僕の絵を描く活動と病気のことを知ってもらいたい
絵本製作に取り組むYくんとお母様

CaNoWムービー

お喜びの声をいただきました

Yくん

自分の病気のことを色んな人に分かってもらう機会になってよかったです。自分の描いた絵がとてもよい本になって、うれしかったです。ありがとうございました。

お母様

今もなお、本を送付した友達や恩師、親戚などから、ありがたい優しいメールやお手紙、たまにはプレゼントなどまで届いております。それほど、息子の事を大切に、そして、成長を喜び、ご連絡いただけたことを嬉しく思っております。
主治医とも、病気のこと以外でお話しする時間もいままで待てなかったところ、今回はCaNoWのお話しも出来、息子の得意なことを知っていただけただけでも価値のある体験でした!

願いを叶えるまで

先天性心疾患の息子を持つ母親から、患者さんの願いを叶えるプロジェクトCaNoWに届いた1通のメール。そこには、息子さんの病気は見た目には分かりづらく、周りから理解を得にくいこと、彼が力を入れている絵の活動についてもっと幅広い人たちに知って欲しいとの思いが綴られていました。 その思いに共感したCaNoWスタッフは絵本の共同製作を提案。打ち合わせを重ねた結果、無事完成に至り、m3.com会員の方々に寄贈することが出来ました。 果してどのように絵本の完成まで至ったのか、また、Yくんの気持ちにどんな変化があったのでしょうか。

■ 見た目は元気そうに見えても

2007年3月に生まれたYくん。出生直後から今まで度重なる手術や在宅酸素療法など、常に生死の不安を抱えながら過ごしてきました。3歳までに3回の手術を経験。その後はペースメーカーの植え込み手術を行うも、数年後には機器の不具合による緊急入院となったり、今後も定期検査や将来待ち受ける手術があったりと、心配は尽きません。 また、先天性心疾患のため風邪を引きやすく、肺炎のリスクもあります。さらに、激しい運動の制限に加え、感染リスクを防ぐために、人が集まる場所に対しても制限があるといいます。 ただ、見た目は健康そうな男の子に見えるため、生死に関わるような疾患を抱えているようには見えません。その分、周りから理解されない悔しさや苦悩と抱えています。
愛犬フレンチブルドッグと遊ぶYくん・6歳のころ

■ もっともっと絵が上手くなりたい!

生まれながらにして心疾患を抱えているYくんですが、Yくんの生活の全てが病気に侵されているかというと、決してそんなことはありません。 Yくんは、絵が上手なお父様の影響をうけて、幼い頃から絵を描くことがとても好きな男の子でした。小学校4年生のときには、「もっともっと絵が上手くなりたい!」と思いが募り、将来も続けられることを見据えて本格的に絵の教室に通い始めます。
Yくんが描いた作品
ラッキーだったのは、Yくんに対してとても穏やかで理解のある先生に巡り合えたこと。素敵な先生との出会いもあって、ますます絵にのめり込んだYくん。実力もグングンとつき、あるときは、先生の計らいでYくんが描いた絵を公の場に展示してもらったこともありました。 Yくんが描く作品は、色彩豊かな風景をはじめ、愛くるしい動物たちが顔を覗かせたり、空と飛行機のコントラストが映える作品など、Yくんならでは世界観が広がります。 実は、絵を習うまでは自分に自信を持てなかったというYくん。しかし、得意な絵の才能を伸ばしていくと、周りから褒められる機会が増えたり、自らSNSで絵の活動を発信して社会との接点も持ったりと、満足感や達成感、そして自己肯定感が上がっていったといいます。 Yくんは言います。「障がいはネガティブだけじゃない。僕は自分が頑張っている絵の活動も色々な人に伝えたいし、健康な人にこそ、目に見えない病気と闘っている人がいることも知って欲しい」

■ 絵本を作るまでの過程

2020年8月に絵本の製作をスタート。製作にあたり、改めてYくんの生い立ちを振り返ったYくんとお母様。普段口に出せなかった本音や、逆に言葉にしたことで自分自身の気持ちに気づく場面も。 絵本に採用した絵の撮影はプロのカメラマンが担当。さらに、本のタイトルや文章作成、英文校正、装丁や絵本全体のデザインなど、一つ一つ丁寧に作業を進めていきます。コロナ禍の影響で作業が中断した時期もありましたが、製作開始から約1年半後の2021年4月、無事絵本が完成しました。 Yくんの絵の先生からは、「とても素敵に仕上がっていますね。技術的なことを言えば、絵の具の色の混ぜ方が上手くなったとか、鉛筆や筆の持ち方が上手くなってタッチが上手くなったというのももちろんあります。でもそれ以上に、描くことによって色々な人と関わって、色々な活動が出来て、知らない人に絵が行き届いて、中々小さい子どもが体験しないようなことを体験していると思います。僕も一緒に楽しませて頂いた感じです」とのお話をいただきました。

■ 当初想定の数十倍の反響

絵本は、出来るだけ多くの方に読んでもらえるよう、病院の待合室やプレイルーム、病院図書館等への設置を念頭に、絵本に関するアンケートに答えてくださったm3.com会員の皆さまへの寄贈を決定へ。 ここでCaNoWスタッフの予想を超える出来事が起きます。 当初は50冊の寄贈を予定していたところ、予定数を大きく上回る1000件もの応募が殺到。嬉しい悲鳴とともに、わずか1時間で募集を終了しますが、その後も続々とメールでの問い合わせが届く事態に。 最終的に360冊の増刷をかけることになったものの、ここまでの反響の大きさにスタッフ、そしてお母様とYくんも驚くばかりでした。
絵本製作に取り組むYくんとお母様が微笑ましい
「障がいはネガティブなメッセージだけじゃない」と語るYくん。絵を通して、自分に自信を持てなかった少年から、自己肯定感を感じられる少年へと変化していきました。また、絵本の製作は、Yくんにとって未知の体験となりましたが、予想以上の反響に驚いたYくんとお母様。Yくんの思いは、絵本を手に取った一人一人に伝わったのではないでしょうか。
企画プランニング:石野宏実(M3)

文章作成:松永怜

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