終末期、医師は最後に何を願う?

この記事は、2019年11月23日に、医療従事者向けWEBメディア「m3.com」内に、
「特集: 患者の願いを叶える『CaNoW』Vol. 7 終末期、医師は最後に何を願う?」のタイトルで掲載されたものです。

CaNoW_終末期、医師は最後に何を願う?

人生100年時代、2025年には全人口の約18%にあたる2179万人が後期高齢者に。さらに医療の発達により、さまざまな疾患を持ちながらも、その病と共生する人々が年々増加しています。そんななか、「病に負けない、人生を輝かせる」という考え方のもと、患者さんの願いを実現し、生きるモチベーションを高めようという支援プロジェクト「CaNoW(カナウ)」がこの秋スタート。CaNoWの発足を記念し、m3.com Doctors LIFESTYLEでは終末期医療における治療の考え方や、患者さんの願いにまつわるアンケート調査(対象:m3.com医師会員)を実施しました。ここではアンケートで寄せられた「医師が実際に叶えた患者さんの願い」や、「医師自身が叶えたい願い」をご紹介します。

旅行や料理、結婚式参加…医師が叶えた患者さんの願い

前回の記事で紹介したように、実際に終末期の患者さんの願いを叶えるために具体的な行動を起こした経験をもつ医師は24%と決して多くはありません。時間や費用、人手不足を考えると、なかなか具体的な行動に移すのは難しいと考えられるなか、これらの障壁を乗り越えて叶えた願いとは、どのようなものなのでしょうか。
CaNoW_50代・男性・消化器内科
50代・男性・消化器内科

肝癌、肝硬変末期の患者さんに自宅外出をしていただいたことがあります。患者さんは数週間後になくなりましたが、後日、遺族の方から患者さんがとても喜んでいたことを聞き改めて終末期医療に対する熱意がわきました。

CaNoW_70代以上・女性・内科
70代以上・女性・内科

「病院で死ぬのは嫌だ。どうしても、遠方にある自宅に帰って死にたい。」と言われ、1日がかりで、付き添って、自宅まで搬送した経験がある。

CaNoW_60代・男性・泌尿器科
60代・男性・泌尿器科

自宅に帰りたいとの希望あり、ご家族に見守られ自宅で看取った。

もっとも多かったのが「自宅で過ごしたい」「自宅で最期を迎えたい」という願いを叶えたという回答。一方、介護者の負担や在宅医療資源の不足を考えると簡単には許可することができないという葛藤を抱えている先生もいらっしゃるようです。
CaNoW_50代・男性・耳鼻咽喉科
50代・男性・耳鼻咽喉科

中学生の患者さん、ディズニーに車椅子で行かせてあげられた。

CaNoW_30代・男性・呼吸器外科
30代・男性・呼吸器外科

酸素吸入が必要ながん末期の患者さん。福岡から東京の孫に会いに行きたいという希望があり、在宅酸素の業者などに協力してもらって会いに行ってもらった。

次いで多く見られたのが、旅行や遠出の支援です。旅行の許可だけでなく、在宅酸素や車いすの手配、現地の病院との連携、情報提供書の作成なども合わせて実施したというエピソードをいただきました。その一方で「旅行の許可はしたが、病状が悪化していけなかった」「病状をお話してご理解いただいた」など一筋縄ではいかない事情を考えさせられるコメントも寄せられました。このほかにも…
CaNoW_30代・内科・女性
30代・内科・女性

料理人だった患者さんが、最後に誰かに自分の料理を振る舞いたいと希望したため、病院内の台所を利用して病院スタッフと協力して料理をする機会を設けた。その後、病棟スタッフとともに作った料理をいただいたところ、とても満足されていた。

CaNoW_60代・女性・麻酔科
60代・女性・麻酔科

患者さんの希望により、海に連れて行った。砂浜の車椅子での移動が大変でしたが、看護師1人と介護士1人と私の3人でやりました。海からの風にあたり、波の音を聞き、遠くに富士を眺め、私達医療者にとっても忘れられないひと時となりました。

今回のアンケート調査で寄せられた「患者さんの願いを叶えた結果、結果的に医師としても忘れられないエピソードになった。」「患者さんの喜ぶ姿を見て熱意が湧いた」などのご意見から、患者さんの願いを叶えることは、患者さんやご家族だけでなく、医師にとっても満足感や達成感をもたらす可能性が示唆されたと言えるかもしれません。

もし自身が患者になったら…医師が叶えたい最後の願い

最期に「もし自身が余命の限られた患者になったら…」と想定し、考えていただいた医師の最後の願いを紹介します。
CaNoW_60代・男性・精神科
60代・男性・精神科

日常生活を出来るだけ変えず過ごす、後のんびり本を読み、コーヒーを味わう。

CaNoW_60代・男性・内科
60代・男性・内科

今まで生きてこれたこと、特に医師として多少なりとも人の命に関わることができたことに感謝したい。

CaNoW_50代・男性・内科
50代・男性・内科

列車に乗ることが好きで、日本国中の様々な鉄道の旅をしたい。

CaNoW_60代・男性・消化器外科
60代・男性・消化器外科

オーロラ鑑賞のため海外旅行を計画する。

CaNoW_50代・女性・消化器内科
50代・女性・消化器内科

家族への思いをつづった手紙を残したい。

このほか、身辺整理をしたい、遺言をのこしたいなどの回答が多数。医師だから…といった特別な願いよりも、最後は一人の人間として、等身大な願いを叶えたいという傾向がうかがえました。

人生100年時代、2025年には全人口の約18%にあたる2179万人が後期高齢者に。さらに医療の発達により、さまざまな疾患を持ちながらも、その病と共生する人々が年々増加しています。

「CaNoW」は、病気や加齢などを理由に叶えられなかった「やりたいこと」の実現をサポート。これまでにも先行モニター企画として、「大好きなサッカーチームをスタジアムで応援したい」「病に倒れてから一度も行けていない職場へ、もう一度行きたい」「生まれ育った土地をもう一度観に行きたい 」などの願いを叶えてきました。企業CSRとしての協賛を資金源としているため、利用ユーザー(患者さん・ご家族)の自己負担は不要です。

詳細はCaNoW公式ホームページをご覧ください。

メルマガを登録して
最新情報を受け取る

メルマガ登録をされる場合、エムスリー株式会社の『個人情報取り扱いについて』の内容に同意したものとします。