久美子様は乳がんのために何度も手術を経験され、手や足にしびれなどがあり、重い荷物を持つことができない等の制限がありました。
今回は、お母様が幼少期に育った思い出の地である東京をもう一度歩き、認知症のお母様にも昔を懐かしんでもらいたいとのご希望で、1泊2日の東京都内の周遊旅行をプランニングいたしました。
1日目の朝。
まずは奈良県のご自宅からスタッフがお二人をお連れします。
新幹線に揺られて約3時間。
ケイ子様は新幹線にも物ともせず、無事に東京まで到着しました。
初日は東京・中野区を周遊します。
中野区は、ケイ子様が小学校高学年を過ごした土地。現在から約80年前のことです。
6年生の時に、集団疎開で福島県に転居されるまで、この地で過ごした思い出深い場所です。

ケイ子様が通った小学校、鷺ノ宮小学校が今も残っているため訪問します。
休日でしたが、警備の方に訳を話すと快く中に入れてくださいました。



ちゃんと学童疎開があったという記録が残っていました。
2日目、今日はもう一か所、中野区に引っ越す前に住んでいたという神田エリアを歩きます。
神田の住んでいた場所のそばに、「玄武館千葉道場跡」があったとのお話から、神田駅から徒歩10分ほどのその場所に向かいます。

松枝町はすでに存在しない地名でしたが、スタッフはその場所が現在は神田駅から徒歩10分ほどの場所であることを探していました。
該当のエリアはすでに、高層ビルが立ち並ぶ都会の様相に変わってしまっていましたが、ビルの合間にひっそりと、当時から残る「お玉ヶ池跡地」「稲荷神社」がありました。


40年ほど前に、子供の久美子様と一緒に訪れたときの思い出など、楽しく語っていただけました。
次は、神田のお祭りを思い出すのではないかと、御茶ノ水駅のそばの「神田明神」を訪れました。


お疲れだったかと思いますが、久美子様も写真をたくさん撮られ、思い出深い旅だったと語ってくださいました。
80年という遠い時代を感じる旅。撮影した動画や写真で、ご自宅に帰ってからも懐かしんでいただけていると、うれしいお言葉を頂きました。