「こら、すごい!」コロナ禍も海外へ?VR旅行を体験

この記事は、2021年3月7日に、医療従事者向けWEBメディア「m3.com」内に、
「特集: 患者の願いを叶える『CaNoW』Vol. 30 「こら、すごい!」コロナ禍も海外へ?VR旅行を体験」のタイトルで掲載されたものです。


2015年12月に腺様嚢胞ガンの診断名がついたYさん(46歳)は夫と娘の3人暮らし、現在は在宅医療に切り替えて生活しています。そんなYさんの願いは、かつて旅行で出かけたハワイの景色やサンセットをもう一度見ること。そこで今回は、患者支援プロジェクトCaNoW※は、コロナ禍で注目を浴びるVR旅行でYさんの願いをサポートしました。

体調不良で入退院を繰り返すも、自宅でVR旅行の願いを実現

2015年12月に腺様嚢胞ガンと診断されてから、入退院を繰り返してきたYさん。放射線治療を開始するも、医者からは「直すための手術ではなく、進行を遅らせるための手術」と宣言されていました。

2017年6月には、治療を続けながら、家族や医療従事者の協力によって家族でハワイ旅行を決行。帰国後には、娘に自分がガンであることを告知しました。骨転移、嗄声、と徐々に病気が進行し、2020年11月には在宅医療に切り替えています。

そんなYさんの願いは「家族と一緒に見たハワイの景色やサンセットをもう一度見たい」というもの。この願いをサポートするため、CaNoWはコロナ禍で注目を浴びる「VR旅行」を提案しました。

病状悪化のため入退院を繰り返し、企画当日にCaNoWスタッフが自宅を訪れた際も、痰貯留や咳き込みによる呼吸苦があったYさん。しかし、体調相談しながらVR旅行をスタートすると、自然と症状が治り、家族とともに思い出のハワイや夫婦岩の映像を楽しむことができました。

初めてのVR体験、ハワイを存分に味う!

さて今回、Yさんの願いを叶た『VR』とは、仮想空間を楽しむ“バーチャルリアリティ”のこと。頭に専用のゴーグルとヘッドマウントディスプレイを装着すると、目の前に仮想の世界が広がります。さらに、コントローラーの操作によって位置や方向など、映像の中に自分の動きが反映され、まるで映像の中に自分が入り込んだような感覚を得ることが可能です。

YさんのVR旅行に際し、CaNoWはJTBハワイ支店など旅行代理店現地スタッフの協力を得て、360°カメラを使いハワイの観光地や、Yさんの思い出の場所を撮影。さらに、撮影データをオンラインで受領し、VRにセットすることで、国内にいながらにして海外旅行気分を味わってもらえるよう準備を重ねました。

今回の企画で初めてVRを体験をしたYさん家族。ゴーグルを装着すると、「うわぁ、すごい!」と歓声を上げる娘さん。突如、視界に飛び込んできたワイキキのサンセットビーチ、キラキラと輝く水平線、水遊びをする人や、のんびりビーチを散歩する人、誰もが自由を満喫しているような景色が広がり、思わずテンションが上がります。
初めてのVRでテンションが上がる!右下の画像は娘さんが見ている景色。
Yさんの眼前には、見覚えのある建物が。「シェラトンワイキキ!」と驚くYさん。以前、家族旅行をしたときに宿泊したホテル、そして実際に泊まった部屋が映し出されると、懐かしさで胸がいっぱいになります。
懐かしい部屋が目の前に
ご主人からも「こら、すごい!」と驚きの声が。ワイキキの街並みにもすっかり夢中になり、前回訪れたダイヤモンドヘッドや、息を飲むほど美しかった虹、ガーリックシュリンプが美味しかったこと…。一気に思い出が蘇りました。
青い海が広がるワイキキの街並み
初めてVRを体験したYさんは……「感動しました!目の前にハワイが広がって嬉しかったです。」と感激もひとしおの様子でした。

ソニーの「窓」で自宅にいながらサンセットを体験

さてここで、CaNoWからもう一つのプレゼント。空間を超えて、リアルタイムで自然なコミュニケーションを体験できる、ソニーのテレプレゼンシステム、「窓」を用いた、サンセット体験です。

「窓」とは、大画面のモニターを通して距離の制約を超え、”あたかも同じ空間にいるような”自然なコミュニケーションを可能とする製品のこと。最近では、コロナ禍で家族との面会が叶わない医療現場での活用も徐々にスタートする など、注目が集まっています。
今回は、「窓」を使ってリアルタイムで夕日が沈む様子もお見せしようと、Yさんの家と、家族の思い出の地・三重県の夫婦岩を中継で繋ぎました。
「窓」から映し出される夫婦岩の様子
室内に、「窓」を通じて突如現れた海辺の沿道を見ながら、「この道を歩いたよね」と懐かしさに浸るYさん家族。事前にお預かりした絵馬を、夫婦岩にある二見興玉神社に結びました。
Yさんの絵馬が無事に結ばれて

「もう行けないと割り切っている」けれど…テクノロジーで願いが叶った

最後に、Yさんに今までの闘病生活や心境を伺ってみると…
「2015年にガンを発症して今まで様々な治療を行ってきました。副作用によって痛み止めを飲んでも熱が出たり、突然痛みが出てきたりと、精神的にも耐えられないほど辛いも味わってきました。生きていても楽しいことはない。病気は悪くなる一方だし、コロナもあるし、目標も希望もない。それでも救いになったのは家族の存在はもちろん、友人が送ってくれた写真です。

夕日や朝日、山の中で野鳥が飛ぶ姿、美しい花。肉眼では見えない月のクレーターや、絶景を映し出す写真の数々。大袈裟かもしれませんが、一枚一枚の写真から、ものすごくパワーをもらい、次第に自分でも、写真を撮ってみようかと思えるまでになりました。空や景色を眺めては、どのアングルで写真を撮ろうか、そんなことを考える瞬間だけは夢をみることができる。5分だけでも病気のことが忘れられるんです。

自分で写真を撮りはじめると、「朝焼けでも見に行くか」と、旦那が夫婦岩まで連れて行ってくれたこともありました。朝4時に現地に着き、家族で日が昇る瞬間に遭遇できたのは嬉しかったですね。

2017年には骨転移していましたが、たくさんの方の協力があって、抗がん剤をお休みしてハワイに旅行に行きました。そのときの夕焼けの美しさは今でも目に焼き付いています。

もう、自分が現地に行けないことはどこかで割り切っているのかもしれません。それなら、テレビでもドローンでも現代の力を使って、直接足を運ぶよりもっとすごい景色が見られるかもしれない。きっと楽しいことが見つかるはず、そう気持ちが変化してきました。

今回、CaNoWの企画に参加できて本当に幸せな時間を過ごせました。初めてVRを体験して、目の前に広がる景色を見て感動したし、ハワイの楽しかった思い出がパッと蘇りましたね。「窓」もとてもリアルで、もっと長い間見ていたいなと思うくらいでした。

家に居ながらハワイのサンセットや、リアルタイムで夫婦岩を楽しめたと語るYさん家族。
今回の企画を振り返り、笑顔で感想を綴ってくれました。
「ハワイの景色をもう一度見たい!」と力強くボードに。
なお今回、VR旅行にご協力いただいたJTBハワイ支店によると、今回のような動画体験だけでなく、Zoom等を活用したライブ中継なども実施可能とのこと。コロナ禍でも手軽な息抜きができるVR旅行。医師の皆さまも、旅行を希望される患者さんやご高齢のご家族へ、おすすめされてみてはいかがでしょうか?

【協力】
JTBハワイ支店:https://www.jtb-hawaii.com/ja/
ソニー株式会社

※CaNoWとは病気や加齢などを理由に叶えられなかった「やりたいこと」の実現をサポートするプロジェクト。これまでに「大好きなサッカーチームをスタジアムで応援したい」「病に倒れてから一度も行けていない職場へ、もう一度行きたい」「生まれ育った土地をもう一度観に行きたい 」などの願いをサポートしてきました。詳細はCaNoW公式ホームページをご覧ください。

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